コラム

KPIを設定するときに陥りやすい落とし穴

「測定できる指標」と「意味のある指標」は必ずしも一致しません。KPI設計でよく起きるずれとその見分け方を整理します。

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KPIを設定するときに陥りやすい落とし穴を表すソフトアニメ風のビジネスイラスト

KPIを設定する取り組みは、多くの組織で行われていますが、設定したKPIが実際の業務改善につながらず、形骸化してしまうケースも少なくありません。この背景には、「測定できる指標」と「意味のある指標」を混同してしまうという、よくある落とし穴があります。

測定しやすさが判断基準になってしまう

KPIを設定する際、既存のシステムから簡単に取得できるデータが指標として選ばれやすい傾向があります。ログイン回数、処理件数、アクセス数といった数字は取得が容易であるため、つい指標として採用してしまいますが、これらの数字が業務の本質的な成果を表しているとは限りません。測定のしやすさを出発点にすると、本来追いたかった成果とは異なる指標を追いかけることになりがちです。

指標が行動を歪める場合がある

KPIには、設定した指標に沿って現場の行動を誘導する効果があります。この効果自体は有効ですが、指標の設計が不適切だと、望ましくない行動を誘発することがあります。たとえば、対応件数だけをKPIにすると、一件あたりの対応品質が犠牲になりやすくなります。数字の裏側でどのような行動が起きうるかを想定せずに指標を設定すると、数字は改善しても実態は悪化するという逆転現象が起こり得ます。

複数の指標のバランスを取る

単一の指標だけを追いかけることのリスクを避けるためには、量と質、双方の側面を捉える複数の指標を組み合わせることが有効です。対応件数と顧客満足度、処理速度とエラー率のように、一方を追求すると他方が犠牲になりやすい関係にある指標を組み合わせておくことで、部分最適に陥ることを防げます。

KPIの見直しを前提にする

業務やビジネス環境が変化する中で、一度設定したKPIが永続的に適切であり続けることは稀です。しかし、多くの組織ではKPIを設定した後の見直しが後回しにされ、実態と乖離した指標を追い続けてしまいます。KPIを設定する段階で、どのタイミングで、誰が指標の妥当性を見直すのかをあらかじめ決めておくことが、形骸化を防ぐ上で重要です。

まとめ

KPI設定の落とし穴は、測定しやすさを優先して指標を選んでしまうことと、指標が誘発する行動への想定を欠くことにあります。量と質のバランスを取る複数指標の組み合わせと、定期的な見直しの仕組みを持つことが、意味のあるKPI運用につながります。